TOEIC1390点を目指す理系出身元エンジニアの研究成果を公開します

TOEIC L&R 925点。全国通訳案内士(英語)です。英語勉強のノウハウやヒントをたくさん公開します。

「全国通訳案内士」ちょっと古いけど、当時の合格体験記

 
みなさんこんにちは。グレイターです。
前回からかなり間が空いてしまいましたが、今年初の投稿です。
 
今日は2021年度の全国通訳案内士試験の、最終合格発表があったそうです。
合格された皆様、おめでとうございます。
 
一方、今年残念ながら合格出来なかった方の今後に、何かしらのお役に立つのではないかと思い、少々古いながらも、私の当時の合格体験記(※2017年度)を転載します。
全国通訳案内士受験者の方は、あまりこのページにはいらっしゃらないかもしれませんが、少しでもお役に立つ点があれば幸いです。
 
一方で、TOEIC L&R/S&W受験者の方々には、直接的には関係のなさそうな話ですが、試験が変わると勉強の仕方がどう変わるのかは、参考になるところもあると思います。ご興味があれば、読んでみてください。
 
※1 以下のページに同じものが掲載されています。
 
※2 私の受験した2017年当時からは、大きくは以下の2点が変更になっています。
(1) 1次試験のTOEIC L&Rのスコアによる免除基準が、840→900に変更
(2)  試験科目「通訳案内士の実務」が追加
 
<ここから>--------------------
<合格体験記本文>
●英語(メルマガ読者/セミナー参加者/動画教材利用者)
(1) 受験の動機
大学を卒業後、大手電気会社でパソコンの電気設計者をしておりましたが、
12年勤務後した頃、事業の採算性の理由から、
2014年に会社のパソコン事業部が社外に売却され、
30代後半で会社からリストラされました(事業部の社員ほとんど全員がリストラ)。
 
次の仕事は、前職でも使っていて得意だった英語で、教育業界で探そうと決めました。
各社とも採用基準はTOEIC L&R 900点以上が目安となるため、その勉強をしておりましたが、
インプット系テストのスコアだけでは英語能力の証明として弱いと考える様になり、
アウトプット能力を測るテストを探していたところ、全国通訳案内士の事を知りました。
 
2020年の東京オリンピックを目前にして、外国人観光者をガイドするのは単価も高く、将来性があると聞いたこともあり、最終的に受験を決めました。
 
アウトプット系のテストとして、TOEIC S&WやIELTSも考えましたが、1回の受験費用が高かったり、受験予備校を探すのも難しそうなので、通訳案内士を選びました。
が、この判断が、こんなにも長い道のりの始まりになろうとは、当時思いもしませんでした。
 
(2) 第1次試験対策
<英語> TOEIC L&R 840点以上につき免除
<日本地理> 前年度合格につき免除
<日本歴史> 前年度合格につき免除
<一般常識> 前年度合格につき免除
 
初めて受験をしたのは、昨年度2016年です。
4月頃から、8月の1次試験に向けて勉強を始めました。
 
もともとTOEIC L&R 820点を持っていたために、
最初から英語に関しては、TOEIC L&Rスコアでの免除規定を使おうと思っていましたが、
通訳案内士試験の受験願書申し込みに、840点取得が間に合いませんでした。
(願書を申し込んでからすぐ、1次試験の前に、840点が取れました)
 
理系の大学出身だったため、社会、特に地理と一般常識が弱く、
1次試験受験前から、初受験で合格するのは厳しそうだというのは感じていました。
毎日必死に勉強しましたが、結局苦手の地理と一般常識の勉強で手一杯で、
日本史と英語はほとんど勉強無しで、実力でなんとか、という形の受験になりました。
特に英語は、試験前日に2時間ほど過去問を眺める位しか出来ませんでした。
(試験を侮っていた訳ではなく、それくらい社会系3科目の勉強が大変でした)
 
結局、2016年度は、社会系3科目に合格出来たものの、
1次試験の英語でわずかに点数が足りず、不合格となりました。
 
2016年の英語の敗因は、通訳案内士の英語に合わせた勉強を出来なかったこと。
TOEIC L&Rでそこそこの点数を上げていたこともあり、
自分自身英語がそんなに出来ないとは思っていなかったのですが、
そもそも、通訳案内士試験とTOEIC L&Rのちがいを理解していませんでした。
 
TOEIC L&Rは主にビジネス英語を題材としており、また、個人の英語運用能力を測る試験のため、特に、簡単な英語をどれだけ素早く処理出来るかが求められています。
 
一方、通訳案内士試験は、日本の観光をテーマにしており、
日本の文化や観光名所に関する文章を読んだり、
英語で説明する能力が問われる試験のため、
2つの試験では頻出する単語レベルから全然ちがいます。
 
例えば、通訳案内士試験で出題される、
「五重の塔 (five-story pagoda)」
天守閣 (donjon)」
「仏教僧 (Buddhist monk)」
多神教 (polytheism)」
の様な難しい単語は、TOEICでは見られません。
 
別の言い方をすれば、TOEIC L&Rのスコアで免除規定を使って受験をされる方は、
TOEICの語彙だけでは、通訳案内士の試験は対応出来ません。
 
TOEICスコアで1次試験免除規定を使って受験をされる方は、
その点を知っておいた方が良いかと思います。
 
社会系の3科目については、ハローの講義動画以外は、一切何もやりませんでした。
一般常識や地理に関しては、講義動画の情報は若干古いですが、
1次試験直前セミナーの動画等で最新情報を補えば、特に問題はありませんでした。
 
2016年度は不合格となりましたが、TOEIC L&Rのスコアが840点を超えたため、
2017年度は免除規定を使って、全科目1次試験免除となりました。
 
(3) 第2次試験対策
2016年度の1次試験の勉強で感じた事は、
とにかく必要な情報がたくさんありすぎて、文字を通してでは、ぜんぜん覚えられない
たとえ覚えられても、2次試験のプレゼンで役に立たない、断片的な文字情報になってしまう
と言う事でした。
 
そこで、2017年度はテレビの旅行関係の番組を見て、
ならべく視覚/聴覚をフル活用し、右脳で情報を覚える事にしました。
 
□ テレビで情報収集
特にBSで旅行の番組がたくさんありますので、
毎週(毎日)それらをチェックして、知らない観光地を扱った番組は欠かさず見ていました。
 
・ 「鉄道 絶景の旅」(BS朝日)
・ 「出発!ローカル線 聞きこみ発見旅」(BS JAPAN)
・ 「ブラタモリ」(NHK)
・ その他旅行関係のスペシャル番組
 
「鉄道 絶景の旅」は、鉄道でそれぞれの地域の有名どころを紹介する番組で、
各地の鉄道路線の情報や観光名所をチェック出来ます。
 
一方、「出発!ローカル線 聞きこみ発見旅」は、
地元民しか知らない様なローカル情報ばかりが出てきますが、
番組の映像を通して、現地の雰囲気を知る事が出来ます。
 
NHKの2番組は、行き先や特定の人物にフォーカスして、
非常に詳しい知識を得られます。
 
□ 現地視察
私は神奈川県在住ですが、試験前に以下の地域へ、
それぞれ3泊4日から4泊5日程度で旅行して来ました。
 
4月 京都府(特に東山地区(祇園・八坂神社・平安神宮知恩院)、
      その他金閣寺西本願寺・嵐山等)
   長野県(松本駅松本城周辺)
   静岡県(東伊豆・下田・浜名湖等)
   山梨県(富士五湖周辺)
   愛知県(豊橋市)
6月 北海道(新千歳と札幌周辺)
9月 沖縄(首里城美ら海水族館)
 
それぞれの行き先は、自分が行った事のない地域を選びましたが、やはり世界遺産を中心に選びました。
特に富士山周辺は、念入りに見ておきました。
 
時間やお金にどれだけ余裕があるかにもよりますが、もし本当に通訳案内士として仕事をするならば、やはり試験前に少しでも各地を歩いてみた方が良いと思いました。
 
現地の空港やその周辺の交通状況(鉄道/バス路線)については、駅の路線図を眺めればなんとなく分かりますし、
現地の特産品は、空港の土産店を2時間位見てまわれば、すぐに覚えられます。
 
現地では、スマホの地図に案内させて移動、という事はしませんでした。
事前にスマホやパソコンで時刻や地図確認はしましたが、
現地ではスマホ無しの方が、道に迷う分いろいろなところで発見がありました。
 
宿泊したホテルにおいてある英語版の観光パンフレットや、
各観光地に設置された英語の案内板を読むのは、とても良い勉強になりました。
 
特に京都は、多数の世界遺産を含む神社仏閣がたくさんあるため、
4泊5日ではぜんぜん回り切れませんでしたが、
1回でも訪れておくと知識が整理出来、後々非常に勉強がはかどると思います。
 
また、あまり時間やお金が無くても、例えば東京近郊にお住いなら、
東京スカイツリーとか浅草とか箱根とか鎌倉の大仏とか、
日帰りで見て回れるところはたくさんありますので、
勉強が行き詰まった時の気分転換にちょうど良いと思います。
 
□ 参考書
以下の3冊の参考書を、試験前に全部丸暗記しました。
 
 「日本的事象英文説明300選」植山源一郎著 (セミナー時に音声CDと共に購入)
2年がかりで取り組んだのですが、最後までなかなか覚えられませんでした。
特に単語に注釈がついていないので、
最初の頃は繰り返し音声を聞いて、音読したものの、
わからない単語のところですぐにつまづいていました。
 
1次試験の項で書いた様に、特に通訳案内士に必要な英単語の知識が抜けていました。
1次試験英語はTOEIC L&R免除で通過出来たのですが、後からその分付けが回って来ました。
単語が覚えられない。
 
単語とその日本語訳をきちんとペアで覚えられていないと、試験時に話の途中で必ずつかえてしまうため、結局、分からない単語は、すべてオンライン辞書で調べる事にしました。
(アルク英辞郎 on the WEBを利用)
 
試験直前まで連日辞書を引きましたが、結局、最後まで終わりませんでした。
が、辞書を引いた分は、英単語と訳語は記憶に定着しました。
特にTOEIC免除を使用する方は、早めにこの作業をしておいた方が良いかと思います。
 
※頻出英単語は、ハローのWebの、ハロー英語道場 真剣勝負
で学習しても良いと思います。
私は極端に単語レベルが低かったため、このページの学習だけではぜんぜん追い付きませんでした。
 
「日本のことを1分間英語で話してみる」 広瀬直子著 中経出版
平易な英語で書かれており、他の参考書と比較してとっつきやすく、覚えやすいです。
欧米と日本の文化のちがいを触れたワンポイントアドバイスの解説も参考になります。
また、1分間でどれくらいの事を話せるのかと言う時間感覚もなんとなく身につきました。
(2次試験のプレゼンテーションは2分間なので)
 
「英語で説明する日本の観光名所100選」 植田一三他著 語研
観光地はたくさんありすぎて、どの観光地を覚えれば良いのか、
また、英語でどう説明すれば良いのかをまとめるのが難しく、
結局この本を購入して覚えました。
欄外に英単語の日本語訳が詳しくついているので、
プレゼンに必要な単語を覚える用途でもおススメです。
 
項目数にして、全部で481個ありました。
301(300選)+80(1分間英語で話してみる)+100(観光名所100選)=481
これらをすべて本の最初から1つ1つ読んで覚えていてはぜんぜんはかどらないので、
それぞれに付属のCDで、まず音声を3〜5回聞いて、おおまかに内容を覚えてしまった後に、聞き取れなかった単語を本のスクリプトを見ながらチェックして行きました。
音声はmp3ウォークマンに入れ、電車に乗ったら隙間時間に繰り返し聞き、
家ではそれらを繰り返し音読して覚えました。
試験前3週間程は、毎日英語のお経を唱えている様でした。
 
2次試験のプレゼンテーションはお題にあわせて時間内に話を構成する必要があり、
質疑応答もありますので、481個の英文を丸暗記しておけば済む訳ではないのですが、
まずは話すネタがないとプレゼンにならないので、このような勉強をしました。
実際の試験では、運良く暗記したお題がそのまま出たとしても、
2分間と言う時間に対して短すぎるので、
関連する幾つかのネタをつないで、話を構成する必要はあると思います。
 
また、質疑応答は自分の英語力(特にスピーキング力)がそのまま出てしまいますが、
そこは対策する余裕もなく、持っている実力での勝負でした。
試験本番は、質疑応答の何か所かで単語や表現が分からず躓いてしまい、かなりきつかったです。
 
試験対策の時間が無ければ、やはり300選を中心に勉強するのが良いと思います
(300選1本に賭ける)。
ただその場合、2017年度のプレゼン問題を見ても、例えば奥入瀬渓流伏見稲荷大社とか、
300選に記載のない観光地をお題目にした出題はあった様ですので、
(あと浅草・銀座・明治神宮も300選に無い)
300選に無い有名な観光地については、日本語だけでも話すネタを準備しておいた方が良いと思います。
 
□ 逐次通訳対策
通訳トレーニング入門(アルク)
 
4か月の通信講座です。
時間の関係で、最初の1か月分位しか手を付けられませんでしたが、
通訳対策のトレーニングとしては非常に役に立ちました。
内容としては主に同時通訳の勉強法になりますが、
逐次通訳の対策としても十分役に立ちました。
 
(4) ハローのセミナー、メルマガ、動画、教材などで役に立ったこと
通訳案内士試験は、参考書がほとんど出ていないために、
情報収集が大変でしたので、どのサービスもとても役に立ったのですが、
特に以下のサービスが役に立ちました。
 
社会系3科目の動画講義
 資料がなく、何を勉強すれば良いかも分からないし、範囲も膨大でしたので、
 動画で概要をつかんでから勉強できるのは大変助かりました。
 参考書を読んで勉強したら、確実に挫折していたと思います。
 
直前セミナー
 回数が多く、東京までほぼ毎週足を運ぶのはとても大変でしたが、出席して良かったです。
 公開模擬面接は、自分の面接体験だけでなく、他の方の面接の様子を見る事で、
 受験者がどんなところでつまづくのか、いろいろなケースを知る事が出来ました。
 また、プレゼンで時間が足りず困ったときには、世界遺産無形文化遺産の話につないで、時間を稼げというアドバイスは、試験本番でもとても役に立ちました。 
 
模擬面接
 全枠満員でキャンセル待ちをさせてもらいましたが、
 運良く試験直前にキャンセルされた方が出たので、受講出来ました。
 
 上手く話をまとめられない特定のテーマについて、話の構成をアドバイスしていただいたり、
 単語の使い方の細かい点を指摘していただいたり、
 また、実際の試験の形式で予行演習が出来たのでは良かったです。
 
 試験直前でしたのでかなり準備はしてあったのですが、
 それでも、逐次通訳やプレゼンテーションは、あまり上手くいかなかったです。
 試験準備をして知識をインプットするだけでなく、
 やはり実際の形式でアウトプットしないとダメだなと強く思いました。
 
 参加者の方の決意表明を見ると、
 「ぜんぜん準備が出来ていないけど、大恥をさらすつもりで参加します」
 という方が多くいらっしゃいました。
 私も頑張って準備した割にはぜんぜん上手く話せない状態でしたが、
 恥をさらす覚悟で申し込んで良かったです。
 
メルマガ
 読むのも大変でしたが、その時その時に必要な情報が満載でした。
 2次試験日に、あまりにも多くの問題が的中するのにはとても驚き、
 「やはり長年やっているプロの情報はちがう」と思いました。
 
(5) 今後の抱負
「今年落ちたら、もうこの資格は諦めよう」
「だから、出来る事は試験前にすべてやろう」
そう思い2016年度の1次試験不合格から、1年間を過ごして来ました。
勉強のし過ぎで、試験直前は家で毎日奇声を発するような日々でしたが、
それでも2次試験はボロボロでした。
 
逐次通訳の後ろ半分は日本語でも文の骨格さえ分からず、
プレゼンはまあまあ出来ても、
その後の質疑応答はいくつかの単語が分からず、何度も言葉に詰まりました。
「何があっても、最後まで諦めない事。試験官にはそれが通じます。
黙ったら即不合格です」
先生にそう言われた事を思い出し、最後まで必死に言葉を絞り出しました。
絶対落ちただろう。試験後はそう思っていましたが、合格する事が出来て良かったです。
 
受験の動機が英語のアウトプット能力を証明するためでしたので、
全国通訳案内士の仕事をすぐに探すつもりはないのですが、
東京オリンピックに向けて前途有望な資格であるので、
登録や実技研修の受講など、必要な事はすすめておこうと思っています。
今は英語のスクールに書類を提出して、就職活動をしています。
 
現地を見て回る旅行は、貧乏旅行で体力的にもとてもきつかったものの、楽しかったので、
就職が上手くいかなかったら、本当にガイドデビューするかもしれません。
 
先生には最後まで膨大な情報をほぼ無料で提供していただき、感謝しております。
大変お世話になりました。有り難うございました。
------------------------------------------------------------<ここまで>

 

なお、文中各所に出て来る”ハロー”についてですが、

全国通訳案内士の試験対策教材は、ハロー通訳案内士のホームページ

( ハロー通訳アカデミー )

で、無料で勉強させてもらえます。

この点については後日、別途追記します。

 

本日もお読みいただき、有り難うございました。

それでは。

 

 

 

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