TOEIC1390点を目指す理系出身元エンジニアの研究成果を公開します

TOEIC L&R 925点。全国通訳案内士(英語)です。英語勉強のノウハウやヒントをたくさん公開します。

英語の神様の名前を思い出した~英語構文と品詞のお話

 

みなさんこんにちは。グレイターです。

今日は英語の構文と、品詞についての投稿を書いてみます。

 

大学受験の勉強をほとんどしなかったんですが、英語やり直したいです。

何を勉強すれば良いですか ? とか、

TOEICの点数が凄く低いんですけど、

何から勉強すれば良いんでしょうか ? と言う話は、良く耳にします。

 

一方で、TOEIC L&Rの点数が高い人の中にも、

実は英語の勉強をしていて、何かすっきりしないものを感じているんだけど、

テストは問題集を解いて対策したらそこそこ点数が取れる様になってしまった。

でも、もし出来るなら、勉強し直したいです。

そう言う人もいる様です。

 

こういう場合は、

「中学英語からやり直しなさい」

そう言われる事が多いです。

中学の教科書を勉強し直したり、

TOEICの初心者向けの参考書を勉強して解消した。

それで済めば、特に問題はありません。

 

しかしながら、

それはやったんだけど、やっぱりすっきりしないんです。

何がいけないんでしょうか ?

どうすれば良いでしょうか ?

そう言う人のために、今日はこの記事を書いていきます。

 

あらかじめ言っておくと、

分かりやすくするためにていねいに書いたら、

かなりの長文になってしまいました。

簡単に書いたので読むのが大変と言う事は無いと思いますが、

「英語構文は完璧っす」

「品詞の区別なんて楽勝よ」

なんて強者の方は、読まなくても良いかも。

 

いやでも、一生懸命書いたので、

少しでも内容が気になったら是非読んでみて頂けると嬉しいです。

 

<Contents>---

■ 英文和訳ですっきりしない人

■ 英文法が細かすぎて理解し切れない人

■ 英語は最初は暗記科目

■ 英語構文の勉強は大丈夫ですか ?

■ 英文を読むときは、まず主節の主語と動詞を探す

■ 品詞って何のために区別するの ?

■ 英語の神様、伊藤和夫

■ ベストセラー「ビジュアル英文解釈」

-------------

 

■ 英文和訳ですっきりしない人

話が少し長くなって申し訳ないのですが、

自分自身の経験を語らせて頂くと、

僕自身は、中学1年生の時から、

どちらかと言うと英語は得意科目でした。

当時どうやって勉強していたかを僭越ながらご紹介します。

 

当時は、

「教科書の英語を音読して全文丸暗記」

「各英文の日本語訳もそれぞれ全文丸暗記」

していました。

 

この手の書き出しから容易に想像がつくと思いますが、

この勉強の仕方は、挫折コースです(笑。

勉強の仕方は必ずしも間違っている訳ではありませんでしたが、

だんだん雲行きが怪しくなりました。

 

中1・中2の頃は定期試験でもほぼ満点を取れていましたが、

中3か高1あたりで頭打ちになりました。

自分自身、限界をはっきり認識しましたが、

当時はどうすれば良いか解決法も分からず、

おなじ勉強法を続けて、力技でなんとかごまかしていました。

 

何が問題だったか、どうやったら改善したかは後で詳述しますが、

当時いちばんつまづいたのは、

「英文の日本語訳がどうしてそうなるのか分からない」

「英文和訳したときに、どうしてそう言う訳をすれば良いのか、必然性が理解出来ない」

そう言うものでした。

 

例えば、以下の様な英文があったとしましょう。

 

Although he is rich, he is not happy because he doesn't have his family and is always alone.

 

日本語訳をするとすれば、

「彼は裕福だけれども、幸せではありません。何故なら、彼には家族が無く、いつも孤独だからです。」

こんな感じでしょうか?

 

当時は、こう言う長い英文の和訳が苦手でした。

どこから訳して良いか分からないし、

自分が書いた訳が、多分そう言う意味なんだけど、

何故そうなるの? 本当にそれで良いの?

と、いつもモヤモヤしていました。

だから、テストで「訳せ」と言われたら適当に訳して、結果バツは貰わないけど、いつも部分点でした。

 

今振り返ってみると、中1か中2までテストの点数が良かったのは、短い英文しか出題されないから、英文と和訳を丸暗記しておけば、ごまかせたんでしょうね。

中3や高1になって、接続詞、上記の例で言えば、althoughやbecauseが出て来たあたりから、雲行きが怪しくなった気がします。

 

■ 英文法が細かすぎて理解し切れない人

一方で、自分自身が人に英語を教える立場になってみると、

特に英文法でつまづく生徒さんを良く見かけました。

英文法が細かすぎて、理解出来ないし覚えられないと言う訳です。

その最たるもののひとつが品詞かも。

何のために品詞の勉強をするのか、さっぱり分からない人も多いかもしれません。

 

■ 英語は最初は暗記科目

さてさて、僕の当初の勉強の仕方について振り返ってみますと、

この手の丸暗記での勉強の仕方は非常に頭が悪そうだったり、

苦痛を伴うので多くの人に嫌われそうですが、

今から見ても必ずしも間違ってはいませんし、

それなりに効果はあったと思います。

 

と言うのは、言語とは本来、数学の定理や方程式の様に、

すべてが理論的に出来上がっているものではなく、

歴史的な時間の経過とともにそうなったと言う要素がたくさんあります。

 

また、言語は日常的に、半ば無意識で使うものでもあり、

すべてのものに理屈や理由がある訳ではありません。

そのため、言語の勉強が得意な人は、まずは暗記から入ります。

具体的には、単語のつづりの暗記、単語の発音の暗記、英文の暗記、意味の暗記です。

 

中学生の早い段階でこのレベルでつまづいたり投げ出してしまうと、

その後は、再度しっかりやり直さない限り、一生ほぼ英語は苦手なままです。

 

■ 英語構文の勉強は大丈夫ですか?

では、当時の僕は何が足りなかったのでしょうか?

ここで、簡単な例文を使って、英文和訳をしてみましょう。

 

Although he is rich, he is not happy because he doesn't have his family and is always alone.

「彼は裕福だけれども、幸せではありません。何故なら、彼には家族が無く、いつも孤独だからです。」

 

この英文の構造を簡単に書くと、以下の様になります。

受験英語を勉強した人には、おなじみの書き方ですね。

 

( Although S+V ), S+V ( because S+V1 and V2 ).

主節だけ原文のまま書くと、 

( Although S+V ), he is not happy ( because S+V1 and V2 ). 

それぞれのS+Vを5文型の形で詳しく書くと、

( Although S+V+C ), S+V+C ( because S+V1+O and V2+C ). 

 

そうは言っても何故上記の様な構造になるかさっぱり理解出来ないと言う人は、

構文をほとんど勉強をした事が無い方でしょう。

もう少し詳しくプロセスを書かせていただくと、

 

「1つの英文には必ず主語と動詞のカタマリがある」

「その主語と動詞のカタマリが、英文の意味の骨格を成す

これを主節と呼ぶ」

「従属接続詞がついた文は、従属節を形成する」

「英文を読むには、まず主節の主語と動詞を探す」

「主語になれる品詞は名詞のみ」

 

ルールとしてはこれ位ですかね ?

そのルールに従って英文を頭から読んでいくと、

 

Although he is rich,

文頭に”although”(~だけれども) と言う従属接続詞があるので、Althoughは従属節を作ります。

なので、この部分は主節ではありません。

訳すと、「彼は裕福だ」+「だけれども」→「彼は裕福だけれども」

 

he is not happy

”he” と言う主格の人称代名詞があり、その前に従属接続詞もついていないので、これが主節の主語になります。後ろの is が主節の動詞です。

訳すと、「彼は幸せではありません」。

端的に言うと、この内容がこの英文のいちばん骨格、いちばん言いたい事になります。

 

because he doesn't have his family and is always alone.

文頭に”because”(~だから) がついていますので、becauseは従属節を作ります。

なので、この部分は主節ではありません。

andは等位接続詞ですので、何と何をつないでいるのかを考えます。

今回は、動詞 ”doesn't have"と "is" をつないでいます。

訳すと、「彼には家族がいません」+「いつも孤独です」+「~だから」

→「彼には家族がなくいつも孤独だから」

 

英文は1文なので日本語でも1文で訳すと、

「彼は裕福だけれども、家族がなくいつも孤独だから、彼は幸せではありません」

でも、日本語訳をする時に英文の前と後ろを行ったり来たりするし、

訳が長くて読みづらいので、日本語訳では2文に分けて、

「彼は裕福だけれども、幸せではありません。

何故なら、彼には家族が無く、いつも孤独だからです。」

そう訳した方が読みやすいです。

 

■ 英文を読むときは、まず主節の主語と動詞を探す

まとめると、

英文を読むときは、まず主節の主語と動詞が何なのかを探し、英文の骨格の意味をつかみます。

 

その過程で、主節の主語と動詞ではないものは、理由を確認しながら外して行きます。

修飾要素も同じです。

 

■ 品詞って何のために区別するの ?

ついでですので説明すると、

形容詞は名詞を修飾します。

が、第2文型SVCの、補語Cとしても使えます。

「修飾する」とは、補足説明する事です。

 

上記の文では、"rich"(裕福な) や "happy"(幸せな) 、"alone"(孤独な) が形容詞です。

例えば、”rich man” とか ”happy man” と言えば、名詞 ”man" を形容詞 "rich" や形容詞 "happy" が修飾して、「裕福な人」や「幸せな人」と言う意味になります。

※正確には a rich man/a happy manです

同時に "rich" や "happy" は、

he is rich

he is not happy

とも使えますよね。

これが形容詞を第2文型S+V+Cで使った例です。

(be動詞は第2文型を取る代表的な動詞です)

 

aloneだけは少々特殊ですが、第2文型を使って he is alone とは言いますが、形容詞でも ”alone man” とは言いません。そう言いたければ、”lonely man” でしょうね。

 

he is always alone.

"always" (いつも、常に) の様な語を副詞と言います。

副詞は動詞や形容詞、文全体を修飾します。

この例だと、形容詞 alone (孤独な) を修飾(補足説明)して、「いつも孤独な」と言う意味になります。

 

TOEICの勉強をした人にはおなじみの説明ですが、

副詞は取ってしまっても、英文は成立します。

he is always alone

から副詞 alyways を外してしまっても、

he is alone

となり、修飾要素やその訳語がなくなるだけで、英文は成立します。

 

TOEIC L&RのPart5の問題解説では、これが何度も何度も出て来る訳ですね。

 

さてさて、書いている僕自身びっくりしていますが、英文1文を日本語訳するのに、要素に分解すると、これだけの事を無意識に一瞬でやっている訳です。

 

大学受験の英語の勉強をした人にはおなじみのプロセスかもしれませんが、初めて見た人には、「えっ、そんな風に読むの ?」と新鮮だったかもしれません。

 

話を元に戻しますと、当時の僕に足りなかったのは、

英語構文の知識とトレーニンだった訳です。

英文法が消化不良を起こしていたり、構文の知識がなく英文和訳のトレーニングもしていなかったので、簡単な英文は丸暗記しておけば対応出来ても、複雑な構造の英文には対応出来なかった訳ですね。

 

品詞の観点で見ると、文の主語の名詞を探すために、単語の品詞から、形から判断していく訳です。

今回の例文は簡単ですので特に苦労しなかったと思いますが、

happy や rich は形容詞ですので、名詞ではなく、英文の主語にはなれません。

でも、名詞の happiness と言う形が英文に出て来たら、英文の主語になる可能性があります。

英文の主語と動詞と言う骨格を探すために、品詞の区別は大切な訳ですね。

 

僕自身、中学英語をやり直しなさいとか、

その手のアドバイスが通用しない人には何が足りないのだろうと考えていましたが、

自分自身の過去の経験だったり、

英語を教えていた当時の事を考えると、

英語構文の勉強って、すごく大事だと思います。

 

構文は知識だけではダメ、知っているだけではダメで、

その知識をどうあてはめるのか、どう活用するのか、

繰り返し繰り返しトレーニングする必要があります。

 

英語を教えるのが上手い先生に巡り合えた人はラッキーなのですが、

そうでない人は、構文の存在自体を知らないか、

消化不良のままで残ってしまっている人も多いと思います。

 

英語って、誰に教わるかで、成否が大きく分かれるんですよね。

 

■ 英語の神様、伊藤和夫

僕自身はこの英語構文の知識を、伊藤和夫と言う先生の本で初めて読みました。

 

かなり昔の人なのでまったくご存知ない方も多いかと思いますが、

昔、大学受験の駿台予備学校の英語課主任をされていた先生で、

僕も正確な源流までは把握していないのですが、

どうもこの伊藤先生が、英語構文を使った解説を初めてしたそうです。

当時は、英語の神様と呼ばれていました。

 

今では当たり前な英語構文を使った解説ですが、

当時は衝撃的な内容だったんでしょうね。

 

■ ベストセラー「ビジュアル英文解釈」

その伊藤和夫先生が書かれた著書の中で、いちばん分かりやすいのが、

ビジュアル英文解釈と言う本です。

 

 

 

超ロングセラーの本で、初版が発売されたのが1987年の様です。

そんな古い本が今でもまだ新品で売られているのが衝撃的です。

 

この本、先生の書き方に若干癖があるので評価が割れていますが、内容は間違いなく超一流です。

現在の大学受験の参考書は、すべてこの本の内容をベースに書かれていますので。

 

内容は非常に良い本ですが、1冊1,300円とか1,400円少々で買えるのも良心的です。

英語がどうしても分かる様にならずモヤモヤしている方で、

興味がある方は是非読んでみて下さい。

まとめて買わないで、PartⅠだけ買って読んでみて、内容が合いそうだったらPartⅡを買うのでも良いかもしれません。

 

大学受験の参考書はたくさんあり過ぎて、

どの本を買えば良いか分からないんですよね。

あれもこれも買ってどれも中途半端にする位なら、

最初からこれを買って、頑張って最後まで読んでみて下さい。

英語構文の勉強をした事が無い人なら、

TOEIC対策としても間違いなく役に立ちます。

また、英文和訳、つまり英文の意味の理解に不安を抱えている人にも役立ちます。

 

最後に脱線ですが、

僕は伊藤先生のこの本に感動し、

浪人時は伊藤先生の講義を直接受けられると言う理由だけで駿台予備学校の横浜校に入学しましたが、

先生は遅刻が嫌いだったそうで、1回目の授業に1分遅刻したら、すでに教室のドアに鍵がかけられており入室出来ず、

2回目のレッスンに期待して登校したら、先生は体調を崩されたと言う事で代行の先生が授業をされました。

 

それから数か月後、残念な事に、先生は亡くなられました。

確か1993年の事だったと思います。

 

結局、1回も直接授業を受ける事は出来ず、

教室のドアの小さい窓から数分間お姿を拝見したのが最初で最後になりました。

今でも僕の中では、この人が唯一の英語の神様です。

 

英語の勉強で困っている方は、

英語の神様の最高の力作を、是非読んでみて下さい。

 

 

本日もお読みいただき、有り難うございました。

それでは。

 

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