Part4の難しさを分析して、分解してみる(1)
みなさんこんにちは、グレイターです。
今日は、TOEIC L&Rのリスニングの、Part4について書いてみたいと思います。
■はじめに
以前、僕の友達の友達の女性から、
「Part4が苦手なんです。どうすれば良いんでしょうか ? 」
と言う質問を受けた事があります。
その時は即答出来なかったのですが、
確かに言われてみれば、
自分自身も以前は非常に苦手だった記憶があります。
リスニング満点を何回か取れる様になって、
改めて振り返ってみると、
「ああ、そういう事なんだろうな」
と思える要素がいくつもありますので、
それを要素ごとに、見て行きたいと思います。
Part4が何故難しいのか、
まとまった解説を読んだり、聞いた事がある人は、
あまりいないかもしれません。
Part4の問題形式についての説明はあっても、
他のPartとのちがいや、
何故難しいのか、と言う切り口での解説が無いのだと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
<Contents>---
■1文1文が長い
■文構造が複雑
■話の内容量が多い
■ナレーターの発音に対する相性が出やすい
■音声が単調で話の区切りが分かりにくい
■集中力が続かない
---------------
■1文1文が長い
Part4は、Part1や2・3に比べて、1文の長さが長いです。
ここで言っているのは、1文章ではなく、
1文(1センテンス)の長さです。
Part4だけ必ずしもナレーションのスピード
(wpm : 1分間あたりに読まれる単語数) が
速い訳では無いのですが、
1文が長いので、
Part2や3までなら対応出来る方も、
Part4になると、センテンス毎の日本語訳が追い付かないとか、
意味認識が間に合わない方も多いと思います。
そうすると、1文1文で処理が追いつかないので、
最初の1文から破綻する訳です。
「は ? 」
「意味が分からない」と思う暇さえも無く、
その後は文の数を追う毎に、壊滅的状態へ至ります。
何が何だか分からずに、全滅コースへ…。
■文構造が複雑
Part3までは口語表現的で、かなりシンプルな文が多いのですが、
Part4の文章は、各文にかなり多くの修飾要素が入って来ます。
前置詞+名詞のかたまり複数や、関係代名詞節等も。
主節以外に従属節も多いですし、
等位接続詞 and や so なんかで文をつないで、
1文内に動詞が2つ以上になる事も多いです。
また、使われる動詞にも特徴があります。
that節を目的語に取る様な動詞もバンバン出て来ます。
例えば、簡単な動詞から言えば、
I know (that) ~ とか、
He said (that) ~ とか。
前の方は「私は知っている」とか「彼は言った」とか簡単でも、
後ろの「that ごちゃごちゃごちゃ」といっしょに言われると、
途中で何が何だか分からなくなる、とか。
他にも、suggest, recommend等と例を上げれば分かりますかね ?
それから、that節だけでなく、wh-節も目的語として頻出します。
where to use, where to putとか、how to decideとか。
あるいは、how we should discuss … とか。
文法用語が多くなってしまいましたが、
そう言われてもピンと来ない方は、
公式問題集のPart4の、
解説冊子のスクリプトを読んでみる事をお薦めします。
あ、確かに、
耳で聞くレベルでなく、目で読んでも難しいなと、感じると思います。
同じ様にPart3のスクリプトも読んでみると、
ちがいがさらに良く分かります。
こうなって来ると、
Listeningだけでなく、
Readingの能力も問われます。
Readingの能力も十分でないと、
このPartでは十分に得点が出来ない訳です。
■話の内容量が多い
このPartの各大問は、
スーパーでの店内放送とか、
市長の発表とか、
ラジオホストの読み上げとか、
会議でのビジネスプレゼンテーションとか、
留守番電話に吹き込まれた内容とか、
話の内容量が多く、それなりの重さがあります。
そうすると、英文1文1文の処理が出来ても、
話を最初から最後まで聞くと、
上級者の人でも、
「聞いているうちに忘れちゃった」
と言う事が起こります。
各大問は、公式問題集で確認すると、
だいたい 5 ~ 8 センテンス位で構成されている様ですので、
それだけのボリュームを、設問を解き終えるまで、
一時的に覚えていられるレベルの英語力が必要になります。
余談ですが、どの大問も時間的な長さはあまり変わらないので、
1問を構成するセンテンスの数が少ないほど、
1文の長さが長くなり、難しくなる感があります。
■ナレーターの発音に対する相性が出やすい
以前別投稿で、
TOEICは米英加豪のナレーターによって吹き込まれているので、
特にアメリカ英語ベースで英語を勉強した日本人には、
特定の国のナレーターの音が聴き取りにくい、
そんな事をお話ししました。
その影響がもっとも出やすいのも、このPart4です。
僕の過去の経験から言うと、
いちばん厄介なのが、イギリスのナレーターです。
音は速くないのですが、
読み上げのペース感が独特で、
また単語1つ1つの発音やイントネーションも独特で、
正直、聞いていて
「なんか気持ち悪い。調子狂う」
と感じる様な、強い抵抗感がかなりありました。
また、TOEIC満点の先生何人かが言っているのは、
オーストラリアのナレーターは、音がかなり速いそうです。
聞いていると、単語の発音はくせが無く意外と普通で、
抵抗は感じないけど、
確かに速い気がします。
■音声が単調で話の区切りが分かりにくい
Part2や3なら、1文1文毎にナレーターが別の人に変わるので、
最初から最後までさっぱりわからないことはあまりないのですが、
上記の国別のナレーターの事があり、
苦手なナレーターの音は、1文1文が切れ目が分かりにくいです。
1文1文が難しいため、意味認識が難しいので、
意味からセンテンスの切れ目を確定しづらく、
頭が混乱している中では、ピリオドの位置も分かりづらいです。
そうすると、1文の始まりと終わりが分からない分、
1文1文の意味がさらに分からなくなるので、
最初から最後まで、
ダラダラダラダラ単調に、
ただ意味の分からない音が流れるだけで、
最初から最後まで、さっぱりわからない。
そんな事が起こります。
■集中力が続かない
有名なTOEICの満点講師の先生複数人を含めて、
TOEICのリスニングでは集中力を持続させるのが難しい、
そんな話を聞いた事がある方も多いと思います。
「集中力 ? そんなに必要なの ? 」
そう思われる方も多いかと思いますが、
詳細に書くと、以下の様な事だと思います。
ご存知の通り、TOEICのリスニングセクションは45分か、46分間です。
Part1ならともかく、
Part2の1問1答形式25問で1語残らず聴きとる様最大限集中して、
Part3でなんか話が良く分からないぞ、と言う設問が多くて、
やっとPart4にたどりつきます。
この頃には、かなり疲れて来ます。
で、「英語や話が、まったく頭に入ってこない」と言う事が起こります。
例えば、自分の経験談になってしまいますが、
Part4で毎回起こるのは、
試験に必ずしも関係ないどうでも良い事が、自分の頭の中で、
日本語で、気になって気になってしょうがなくなります。
「今日の木の椅子固いなぁ。腰が痛いんだけど」
「リスニングセクション長いなぁ。まだ終わらないの ? 」
「今日の問題、他の人解けているんだろうか ? 」
「あっ、今の大問、話がまったく入って来なかった」
等々。
日本語が頭の中で、ごちゃごちゃごちゃごちゃうごめきます。
これが英語の処理に邪魔なんです。
受験者の方によっては、技術的な問題で、
「あっ、先読みが間に合わなくなっちゃった。
先読みしてないのに音流れているけど、どうしよう」
「最初から最後までさっぱり聞こえない。わからない。
もうヤダ。ほんと勘弁してくれよー」
そんな風に感じる方も多いではないかと思います。
この手のいわゆる「雑念」は、
英語を聞く上で非常に邪魔になります。
かなり英語が得意な人は、
もはや英語を日本語訳しない人も多いのですが、
日本語のノイズが入り出すと、
英語の方がその分おろそかになる訳です。
同時通訳者でもない限り、
英語と日本語を器用に両方同時に扱えない訳です。
また、日本語訳しないと意味が取れない方にとっては、
英語の方は難しくてさっぱり。
挙句の果てに、うるさい雑念だらけでちっとも集中出来ない。
そうなる訳です。
いかがでしょうか ?
壊れ方まで詳細に書いたので、
若干記載が長くなってしまったところもありますが、
「そう言えば、そんな感じだったかも」
そう感じる方も多いのではないでしょうか ?
長くなってしまうので、対策については、
次の投稿にまとめて、
別途記載したいと思います。
最後までお読みいただき、有り難うございました。
それでは。
↓ ブログ村ランキングに参加しています