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日本人が英語が苦手な根本的理由 語順のちがいを整理する

 

みなさんこんにちは。グレイターです。

 

今日もまた、リーディングの高速化につながる要素を書いていきます。
今日は、日本人が英語が苦手な根本的理由、
英語と日本語の語順のちがいについて書いていきます。

 

今回は非常に重要な内容です。
若干長いかもしれませんが、
出来る限り分かりやすく書きましたので、
是非最後まで読んでみてください。

 

<Contents>---
■ 日本語と英語の語順のちがい
■ (パターン1) 文中での動詞の位置
■ (パターン2) 名詞の修飾の仕方
■ Grammar-Translation Method
■ 英文和訳は語順並び替えゲーム
■ 語順をならべかえなくても理解出来る
---

 

■ 日本語と英語の語順のちがい

英語と日本語は語順が異なるので、
リーディングであれライティングであれ、
またリスニングであれスピーキングであれ、
その語順のちがいを克服しないと、
いつまでも英語が苦手なままで、レベルが上がりません。

 

例えばリーディングでは、
英語と日本語の語順が異なるために、
英語の語順そのままで読み、
単語1つ1つを日本語訳だけしてならべても、
良く意味が分からない訳です。

 

例を1つ上げてみましょうか。

 

She bought three apples today.
<単語を日本語訳しただけ>
彼女は 買った 3つりんごを 今日。

<日本語訳>
彼女は今日3つりんごを買った。

 

単語をただ日本語訳しただけでは、
日本人の通常感覚では意味が分かりにくいので、
通常は、英文和訳する時、
語順を並べ替える訳です。

 

では英語と日本語ではどこで、
語順が変わるのか ?
整理するとそんなに難しい話ではありません。


一度出来る様になってしまえば、
何だ簡単じゃないかと言う話ですので、
頭の中身がすっきりする様、
ここで整理してみましょう。

 

■ (パターン1) 文中での動詞の位置


・日本語では動詞が文のいちばん最後 (S ... V)
・英語では動詞は主語の後ろ。2番目 (S V ... )

 

※S : Subject (主語) / V : Verb (動詞)の略語です

 

英語を勉強した人は、
中学校で5文型を習いましたよね。

 

(第1文型)  SV
(第2文型)  SVC
(第3文型)  SVO
(第4文型)  SVOO
(第5文型)  SVOC

 

細かい話はさておき、
この5文型に共通するのは、
英語では主語が最初、動詞が2番目
その後にその他の要素が続く
と言う事です。

 

では、例をいくつか見てみましょう。

 

I went to school yesterday.
私は昨日学校へ行った

 

He loves playing tennis.
彼はテニスをするのが好きだ(愛している)。

 

この2つの英文を理解する時、
日本人は次のような処理をします。

 

I went to school yesterday.
(1) 私は 行った 学校へ 昨日。
(2) 私は学校へ昨日行った。
(2') 私は昨日学校へ行った。

 

He loves playing tennis.
(1) 彼は 愛している テニスをする事。
(2) 彼は テニスをする事 愛している。
(2') 彼はテニスをするのが好きだ。

 

それぞれ、(1)で英単語を日本語訳し、
(2)で、動詞を文末へ移動し、
(2’)で、日本語らしく細部をととのえ、
意味を理解する訳です。

 

■ (パターン2) 名詞の修飾の仕方


・日本語では名詞を前から修飾
・英語では名詞を後ろから修飾 (N ← M)

 

※N:Noun (名詞) / M : Modifier (修飾要素・修飾語句)
 を略してN・Mと表記しています

 

念のためですが、修飾とは、
辞書的な意味で言えば、
ある語句が他の語句の意味を限定すること
です。

 

が、分かりにくいので、
修飾とは、補足説明を加えたり、
詳細な説明を追加するものだと思ってください。

 

では、こちらも例をいくつか見てみましょう。

 

<基本>
shining stars 輝いている星

(shining  →  stars)

 

stars shining in the sky 夜空で輝いている星

(stars  ←  shining in the sky)

 

英語では通常、
形容詞や分詞(=動詞のing形やed形)1語」が名詞を修飾する時は、
名詞の前から修飾しますが、


単語2語以上で」名詞を修飾する時は、
名詞の後ろから修飾します

 

前から修飾する方は難しくないので省略して、
ここでは後ろから修飾する方だけに焦点をあて、解説します

 

なお、以下の例では、
前置詞句・現在分詞・過去分詞・関係代名詞節と、
区別するために文法用語がならんでいますが、

 

いろいろなパターンがあるけど、
とにかく名詞を後ろから修飾して、
補足説明するんだな程度に、
簡単にとらえて頂ければ大丈夫です。

 

<前置詞句が名詞を修飾>
the dishes on the table
(1) その何枚かの皿 テーブルの上にある
(2) テーブルの上にあるその(何枚かの)皿

 

<現在分詞が名詞を修飾>
the man sitting on the bench
(1) その男性 ベンチに座っている
(2) ベンチに座っているその男性

 

<過去分詞が名詞を修飾>
the painting painted by that famous artist
(1) その絵画 塗られた あの有名なアーティストによって
(2) その絵画 あの有名なアーティストによって塗られた
(2') あの有名なアーティストによって描かれたその絵画

 

<関係代名詞節が名詞を修飾>
the magazine which I bought yesterday

(1) 雑誌 それを私は買った 昨日
(2) 雑誌 それを私は昨日買った
(2') 私が昨日買った雑誌

 

the only thing which I want to know
(the only thing I want to know)

(1) たった一つの事 それを私は知りたい
(2) 私が知りたいたった一つの事

 

これらの例でも、
(1)で英単語を1つ1つ日本語訳し、
(2)で、それらを日本語の語順に置き換えて、
意味を理解する訳です。

 

■ Grammar Translation Method

まとめると、
英語と日本語で語順が変わるのは、
以下の2つのパターンです。

 

・S V ... (動詞は2番目)
・N ← M (名詞を後ろから修飾)

 

結局、英語は、
上記の箇所で語順が日本語と異なるので、
日本人の感覚で意味を認識・理解するには、
いちいち語順をならべかえる必要があるのですが、
そこに時間がかかるので、大変な訳です。

 

考えても見れば、
1文毎に最低1個動詞が出て来るので、
日本人が意味を認識するには、
英文1文毎に、動詞を文末に移動させる処理が発生する訳で、
毎回毎回そんな事をするの、面倒くさいです。

 

この様に、英語と日本語は語順が異なるので、
意味を認識するための処理が大変な訳で、
これが日本人が英語が苦手な根本的理由の1つの様です。

 

英語と語順があまり変わらない他の国々では、
やはり英語の習得もあまり難しくなく、

それらの国々では、
TOEIC等の英語のテストの平均点も高いそうです。

 

なお、学校教育での日本人の英語の学習方法は、
Grammar Translation Method  (文法訳読方式)
と言うそうです。
文法に基づいて英単語の訳語を並べ替えて読み、
意味を認識・理解すると言う事ですね。
だから、正しく語順をならびかえるために、
文法がうるさく言われる訳です。

 

結局、日本人は、
英語そのままの語順では意味を理解出来ないので、
英文を1文毎に日本語訳をして、
その日本語訳で意味を認識していた訳です。

 

■ 英文和訳は語順並び替えゲーム

つまるところ、
英文和訳は英単語を1語1語、日本語の訳語に置き換えて、
それを日本語らしい語順に並びかえる、
語順の並び替えゲームな訳です。

 

文法に基づいて語順を並べ替えるのが得意な人は、
英語は苦手にならなくて済みますし、

 

文法が苦手だったり、

複雑な英文の語順を並べ替えられないと、

 

英語が苦手になったり、
テストで良い点数が取れなかったり、
英文の日本語訳に納得感がなかったりと、

 

だんだん英語が嫌いになってしまう訳です。

 

中学校や高校の英語の授業で、
英単語がたくさんならんでいて、
それを正しい順番に並べかえる問題、
たくさんやりませんでしたか ?


昔の先生方は、
英語と日本語の語順のちがいを理解させるために、
苦心してあの手の問題を作ったんでしょうね。

 

■ 語順をならべかえなくても理解出来る

とは言え、上記の説明の中で書いた、
それぞれの例の(1)の訳を再度見てみましょう。
語順を日本の様にならべかえなくても、理解出来ないでしょうか ?

 

I went to school yesterday.
(1) 私は 行った 学校へ 昨日。

 

He loves playing tennis.
(1) 彼は 愛している テニスをする事。

 

the dishes on the table
(1) その何枚かの皿 テーブルの上にある

 

the man sitting on the bench
(1) その男性 ベンチに座っている

 

the painting painted by that famous artist
(1) その絵画 塗られた あの有名なアーティストによって

 

the magazine which I bought yesterday
(1) 雑誌 それを私は買った 昨日

 

the only thing which I want to know
(1) たった一つの事 それを私は知りたい

 

上記各例とも、
日本語としてはちょっと変な、落ち着かない訳ですが、
意味は理解出来そうですよね。
もっと言えば、
次の様に読んでいけば、理解出来そうです。

 

I went to school yesterday.
(1) 私は 行った (どこへ?) 学校へ (いつ?)昨日。

 

He loves playing tennis.
(1) 彼は 愛している (何を?) テニスをする事。

 

日本語では動詞が文末に来ますが、
いちいち動詞を文末に移動する処理をしないでも、
理解は出来ます。


何より、英語ネィティブの人たちは、
みんなその語順で認識・理解出来ていますので、
その語順や感覚に慣れてしまえば良いのです。

 

the dishes on the table
(1) その何枚かの皿 (どこに?/どんな?) テーブルの上にある

 

the man sitting on the bench
(1) その男性 (どこに?/どんな?) ベンチに座っている

 

the painting painted by that famous artist
(1) その絵画 (どうした?) 塗られた (誰に?) あの有名なアーティストによって

 

the magazine which I bought yesterday
(1) 雑誌 (どうした?) それを私は買った (いつ?) 昨日

 

the only thing which I want to know
(1) たった一つの事 (どんな?) それを私は知りたい

 

名詞を後ろから修飾する各例の場合には、
最初に名詞がポンと提示され、
その名詞に対して、あとから次々と補足説明がされる訳です。

 

だから、

 

皿だよ。

どの皿だよ?

テーブルの上にあるやつだよ。

 

男性だよ。

どの人だよ?

ベンチに座っている人だよ。

 

こんな風に、
1つの名詞に対して、
次々と補足説明が加えられる感覚に慣れてしまえば、
わざわざ日本語の語順に直さなくても、理解出来る訳です。

 

語順を並べ替える手間が省ければ、
英文1文1文の意味処理が速くなります。
さらに慣れて来れば、
もう英単語をわざわざ日本語訳しなくても、
英語だけで理解出来る様になるでしょう。

 

意味処理を高速化するために必要な事。

これが今回お伝えしたかった事です。

 

■ チャンク読み/スラッシュリーディング/同時通訳方式

なお、上記に説明した英文の読み方は、
世間では、

 

チャンク読み
スラッシュリーディング
同時通訳方式

 

等と呼ばれます。
中身はほとんど同じですが、呼び方がいろいろあるだけです。

 

次回の投稿では、
それらの読み方について、
もう少し解説してみようと思います。

 

最後までお読みいただき、有り難うございました。
それでは。

 

 

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