機能語と内容語と、音声変化 ~ さらりと読まれる語、変わる音
みなさんこんにちは。グレイターです。
では今日は、前回紹介した音声変化について、
続きを説明します、と言いたいのですが、
その前に、もう少し必要な概念を説明します。
このあたりは知らないといけない事が多いので、
ついてくるのもなかなか大変かもしれませんが、
繰り返し話を聞くうちに、
「ああ、その話ね」と慣れますので、
最初のうちは、「ふーん」位に読んでおくのでも大丈夫です。
<Contents>---
■ 内容語と機能語と、発音の強弱
■ 音声変化って何 ?
■ 音声変化の種類
■ 音声変化が出来る様になると
-------------
■ 内容語と機能語と、発音の強弱
大学受験を経験した人なら、
内容語とか機能語とか聞いたことがある方も多いでしょう。
品詞で言えば、
内容語は名詞・動詞・形容詞・副詞などです。
具体例で書けば、
名詞:Mike・Janeなどの人名やbox・appleなど、人・ものの名前
動詞:go・watchやhear等の-edや-ingが付いて形が変わる語
形容詞:beautiful・easy・clearなど
副詞:easily・clearlyなど
です。
機能語は、a・an・theなどの冠詞・
andやor・because・thatなどの接続詞・
that・who・whom・whichなどの関係代名詞・
I/my/me・He/his/him・She/her/her などの人称代名詞などです。
be動詞や助動詞も機能語です。
※それぞれもっとたくさん種類はありますが、
細かくなりすぎるのでこの程度にしておきます。
日本語は音に抑揚があまりなく、フラットに発音されますし、
ひらがな1音1音はほぼ等間隔に読まれますが(時間の長さと言う点で)、
英語は単語レベルで音の大小に差が大きく、
内容語は大きく長くはっきりと、
比較して、機能語はさらりと、小さく短く発音されます。
結果として、
内容語の箇所は聞き取りやすく、
機能語の箇所は、
リスニングでも聞き取りづらくなります。
簡単な例で見てみましょうか ?
I went to Shibuya yesterday.
俺、昨日渋谷に行ったんだ。
"went"(動詞)・"Shibuya"(名詞)・"yesterday"(副詞)は内容語ですので、
はっきりと発音されますが、
"I"(人称代名詞)・"to"(前置詞)は機能語ですので、
そんなに強くは発音されない訳です。
日本語でも、
俺、昨日渋谷に行ったんだ。
の様に、「俺」や「に」の部分、ほとんど強調しませんよね。
場合によっては、
昨日渋谷行ったんだ。
みたいに、言わないでも分かるから、
「俺」や「に」を省略してしまう事も。
英語でも "I" や "to" のところはさらっと発音される訳ですが、
日本語よりも音はさらりと、それぞれ短く発音されます。
前々回の投稿で書きました、
"例えば、昔の僕の場合、
人称代名詞のour、him、前置詞のonなどが苦手でした。
その他、atなどいろいろな前置詞が、
何度聞いても聞こえない事もありました。
意外かもしれませんが、youも難しいです。
スクリプト上、単語はすべて知っている筈なのに、聞こえないんです。"
は、すべて機能語な訳で、
このあたりの単語は、どれもあまりはっきりと発音されないので、どれも聞き取りが難しい訳です。
さて、内容語と機能語と言うくくりで、
機能語の聞き取りが難しくなるところもあるのですが、
機能語に次に説明する音声変化が加わると、
さらに聞き取りが難しくなります。
■ 音声変化って何 ?
僕自身は10年以上前に、バイリンガルの先生から教わりました。
一般にはあまり知られていない話なのですが、
ずっと以前からあるんです。
英語系の大学や大学院で勉強をすると、
あたり前の様に出て来る様ですが、
中学や高校、大学のその他の学部では勉強しないと思います。
ただ、教えている人や本によって呼び方がまちまちで、
音声変化と呼んでいたり、
リンキングやリエゾン・リダクションなどと呼んでいたり、
あるいは日本語で連結や脱落・弱形などと呼んでいたり、
世の中では名称が本当にばらばらです。
それもあまり普及していない原因のひとつかも。
皆さんも、上記のどれか一つぐらいは聞いたことがあるかもしれませんね。
前回のお話の続きになりますが、
英語は、単語の発音が完璧なら、
ネィティブの様にきれいに発音出来る訳ではありません。
発音の中で、1つ1つの単語の発音が、
通常の音から変わる事があります。
しかも、かなりしばしば変わります。
それは例えば、
前の単語とつながったり、
単語の一部分の音が落ちたり消えたり、
変わってしまったり。
それらを全部まとめて、音声変化と呼んでいます。
前回投稿した様に、発音記号通りに1つ1つ単語を読むと、
英文レベルでは、一部が発音しづらかったするので、
発音しやすい様に、文の一部で音が変わったりする訳です。
大事なところは、この音声変化と言うのは、
話者が自由・勝手に音を変えて良いのではなく、
起こり方に、一定のルールやパターンがあります。
だから、そのルールやパターンを覚えて、
自分で出来る様になってしまえば、
リスニングやスピーキングが非常に楽になる訳です。
聞きとりも楽になりますし、
話すのも音がスムーズに出せる様になり、
よりネィティブっぽい音が出せる様になります。
■ 音声変化の種類
さてこの音声変化、
全部でだいたい6種類と言われていますが、
これもまた、4種類や5種類と数えている本もあり、
本によりまちまち。
全部書きだすと、以下の6種類です。
今日は簡単に概要だけ書いておきます。
・短縮(Contraction) I'm/You're/He'sなど
・連結(Linking) 前後の単語の音がつながる
・同化(Assimilation) 前の単語に影響を受けて、音が変わる。youで顕著。
・脱落(Elision) 音が落ちたり聞き取りにくくなる
・弱形(Weak Form) 2つ読み方がある単語の、弱い方の読み方。冠詞や前置詞で顕著。
・ラ行化(Flap T) tやdがラ行の音に変わる
この中で、
短縮は、
I amがI'mになったり、
She isがShe'sになったり、
文字通り短くなる事で、
あまり難しくないので数えていなかったり、
ラ行化は、
一部地域、具体的にはアメリカ以外では、
あまり顕著に起こらないので、
紹介されなかったりします。
だから6種類ではなく、4種類・5種類だったりもする訳ですね。
本によっては音声変化の中で、
弱形のみに焦点をあてて書いている本もあります。
さて、具体例を紹介します、と行きたいのですが、
長くなってしまうので、それはまた次回以降に。
■ 音声変化が出来る様になると
人によっては、音声変化が出来る様になり、
発音が楽になったら、
英語の勉強が楽しくて楽しくてしょうがなくなってしまうかも…笑。
以前どこかの投稿でふれたのですが、
英語の勉強はカラオケみたいなものと書きました。
また、英語が得意な人は、
洋画や洋楽が好きな人が多いとも書きました。
それらの人は、
映画や洋楽を、字幕や歌詞を見ながら聞いたり、歌ったりしているうちに、
細かく教わらなくても、
この音声変化を知らないうちに出来る様になってしまう訳ですね。
そう言う訳で、この山を越えれば、
リスニングもスピーキングもレベルが格段に上がるので、
是非頑張って継続して勉強してみて下さい。
最後までお読みいただき、有り難うございました。
それでは。
↓ ブログ村ランキングに参加しています