なぜTOEICは、リスニングセクションの方がスコアが伸びやすいのか?
みなさん、こんにちは。Greaterです。
今日は、TOEICでは何故リスニングの方がスコアが伸びやすいのか、その理由を、お話ししてみたいと思います。
TOEIC高得点者は大抵、リスニングの方がスコアが伸びやすいのを、経験的に知っています。
ですが、その理由まで踏み込んだ解説は、ほとんど聞かれません。
ですので、リスニングの方がスコアが伸びやすい理由を、IIBC(※日本でのTOEICの実施機関)から出ているデータをもとに、考察してみます。
以下は、
「第※回 TOEIC Listening&Reading公開テスト(何年何月何日実施) テスト結果について」
と言う1枚紙からデータを抜粋しています。
毎回TOEICのスコアレポートが送付されてくると、
スコア証明書といっしょに同封されて来る、クリーム色の1枚紙ですね。
その紙の表面、<総合結果>と言うところに、
各テスト回の受験者総数・各セクションの平均点・合計での平均点
などの情報が書かれています。
3回分のテスト結果を、まとめて以下に書き出してみます。
■第242回(2019年7月28日実施)
リスニングセクションの平均スコア:321.9
リーディングセクションの平均スコア:259.6
セクション間の平均スコアの差:62.3
■第245回(2019年11月24日実施)
リスニングセクションの平均スコア:318.4
リーディングセクションの平均スコア:267
セクション間の平均スコアの差:51.4
■第246回(2019年12月15日実施)
リスニングセクションの平均スコア:327.6
リーディングセクションの平均スコア:267.8
セクション間の平均スコアの差:59.8
(※セクション間の平均スコアの差=
リスニングセクションの平均スコア
ー リーディングセクションの平均スコア
です)
公開テスト3回分しかデータを載せていませんが、いつもだいたいこんな感じです。
セクション間の平均スコアの差が、だいたい50点~60点ぐらい。
リスニングセクションの方が、リーディングセクションより60点ぐらい高い訳です。
リスニングセクションの方が平均点が高いのには、理由があります。
リスニングの方が、
・大問1問あたりの文章の長さが短い
・1文1文も短い。文構造も簡単。
・リーディングセクションより単語が簡単
出る単語はいつも同じ。難しい単語は出ない
・話(音声)を聞いて、内容が理解出来て、大まかなあらすじと、設問に関する箇所を覚えておければ得点出来る
からです。
手短に言えば、
・流れて来る音声を聞いて、
・1文1文の意味が理解出来て、
・話全体の流れが理解出来ていれば
得点出来る訳です。
それにも関わらず、日本人はリスニングが苦手です。何故でしょう?
ある動画で、とある有名な英語の先生が、
「英語が出来ないいちばんの理由は、何だと思いますか?」
と質問していました。
その答えを聞いて、納得してしまいました。
その答えは、「単純に、勉強していないから」、です。
これだけだと、「何だよ!!!」って言われてしまいますよね。
別の角度から説明を追加します。
日本における英語の学校教育の現状について、です。
以下は僕が中学高校生向けの塾講師をしていた時や、TESOL(英語教授法)と言うものを勉強して分かった事です。
ご存知のように、英語には4技能と呼ばれる、4つのスキルがあります。
リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4つです。
最近では、4技能試験の実施が先送りになったのは、記憶に新しいところですよね。
日本の学校教育の場合、この4つのスキルのうち、どこまで出来ているかと言うと、実はリーディングだけです。
あとはほとんどやっていません。
詳細は記事のいちばん最後に書きますので、興味があったら読んでください。
リスニングはそもそも、学校でほとんど勉強していないから。
だから、リスニングは、リーディングより、ずっと伸びしろがある訳です。
話をまとめますと、
リスニングの方がスコアが伸びやすい理由は、
(1)TOEICは、リスニングセクションの方が、英文が短くて簡単だから
(2)そもそも学校教育でリスニングをあまり勉強して来なかったから、
リスニングの方がずっと伸びしろがある
と言う事ですね。
次回以降はしばらく、TOEIC L&Rの全体スコアを上げる方法と、特にリスニングセクションの技術的なポイントを解説します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた。
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補足)
以下はリーディング以外の3つのスキルの、中学高校までの学校教育のレベル感です。
■リスニング:
学校英語では、単語レベルの聞き取りぐらいまで。
リスニングは試験には組み込まれていますが、
ネィティブレベルの音声スピードよりも遅く、
音声変化も入っていません。
ゆっくり目の英語を聞いて、内容が理解出来ればOK、と言うところまでです。
残念ながら、ネィティブレベルの音声スピードではなく、
また音声自体も、若干ネィティブが話す英語と音が異なっているので、
通常の英会話で、実際に使いものになるレベルには到達出来ていません。
(詳細は、先行き別の投稿で、別途詳しく解説します)
■ライティング:
英文法まではやっています。
ただし、ライティング、
つまり英作文やエッセイライティングは、あまりやっていません。
語順完成問題(選択肢の並び替え問題)みたいなのはたくさんやっています。
その理由は2つあると思っています。
1つ目。英作文の採点が面倒だから。
学校の1クラスの人数が30人なら、1人の先生が30人分の作文を添削するのは大変です。
宿題の確認に冗談ではなく、徹夜コースです。
だから、よほど英語教育の熱意に燃えた先生でなければ、英作文の宿題なんて出しません。
2つ目。先生に英作文の採点や添削を出来るレベルが無いから。
英作文をすると、回答の自由度が高いために、
正解は必ずしも1つだけではなく、複数の解答が存在します。
それ故、英語の先生は、時制の選択・冠詞の選択(定冠詞?不定冠詞?無冠詞?)・
どの前置詞を使うかと言った、かなり細かい要素もチェック出来ないといけません。
そしてこれらの要素は、先生の英語レベルが相当高くないと、処理出来ません。
だから、ライティングはやらない訳です。
(※自分自身も人の事は言えません…泣。
ネィティブに添削してもらうと、大まかな文法は非常に間違いが少ないと言われても、
細かい部分では、かなりたくさん指摘されます。
TOEICのライティングで200点満点中190点取っている人間でも、です)
英語試験の4技能化が先送りされた大きな理由の1つとして、
ライティングの採点者が確保出来ないと言うのは、聞いたことがある方もいらっしゃるのでは?
■スピーキング:
ほとんど皆無。
ラィティングが出来ないので、スピーキングも出来ません。
時間をかけて辞書をひきながらでも英作文が出来ないなら、
その場で辞書なしで、瞬時に英作文なんて出来ない、と言う訳です。